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代表挨拶

日本歌曲協会」は、詩人作曲家声楽家邦楽演奏家の四者によって構成され、日本の伝統楽器を共演楽器として声楽家が歌う新しい日本の歌の創作、普及を図ることを事業の中心に据え、その発展を目的とする団体です。

 

日本の気候風土に育まれ、日本人の心を表すのに最も適している伝統楽器を使用し、声楽家が歌う「現代の日本の歌」を創ろうという機運が高まり、「邦楽器とともに」という企画が誕生したのは2005年のことです。 元来、日本の伝統音楽の世界は、九割五分以上を歌ものが占めていました。一方、現代邦楽においては、そのほとんどを器楽曲が占めるというとても歪な展開をしています。その不自然な「穴」を是正すべく始めた「邦楽器とともに」でしたが、昨秋の第14回までに発表された作品総数は既に100曲を超え、各地で再演の声も聞かれています。

 

また、組織面においても、この運動をさらに深化させようと、2016年、それまでの詩人作曲家声楽家に加え、邦楽演奏家も会員として迎え、「日本歌曲協会」を立ち上げて再スタートしました。さらに年一回の「邦楽器とともに」に加えて、2018年からは毎回、テーマをもって、より自由な発想で行う「春のステージ」を開催することとし、将来への体制も整ってきました。

 

五線譜を難なく使いこなし、邦楽、洋楽を縦横に行き来する邦楽奏者が数多く輩出している現在、私達は宮城道雄の時代とは一味違った新しい音楽の創造が出来るのではないかと思っています。言い換えれば、今ほど新しい日本歌曲が生まれる条件が整っている時代は無いということが云えるでしょう。そのためには、日頃、外国語の歌を歌っている声楽家の、舞台語としての日本語の歌い方の研鑽と日本音楽へのより深い理解が必要なことは云うまでもありません。

 

幸いなことに、「日本歌曲協会」発足以来、この趣旨に賛同する大変意欲のある内外の実力者たちの参加により、目に見えて演奏の質も向上し、回を追うごとに日本語を歌う際の課題も是正され、洋楽器による音楽会と遜色のない演奏会になってきました。大変喜ばしい限りです。

 

このような時期に、昨年、芸術祭参加が認められたことは、当会の今後の活動にとても大きな力をいただいたと思っています。 これからも、この世界を拓いていこうとする意欲ある人々を発掘し、その受け皿となり、未来に繋がる作品を生み出して参りたいと思っております。そして、この「邦楽器とともに」の世界が新しい日本歌曲の一分野となり、誰もが楽器店で楽譜を手に取り、歌い、演奏し、多くの人の耳に触れる時代が来るようにと願っています。 東西の融合、日本から世界への発信、五年後、十年後を見据えて、日本人の心に寄り添った新しい日本の歌の創造と発展に尽くして参る所存です。

 

2020年5月1日

日本歌曲協会代表 森田澄夫